人事異動は転職と変わらない?
比較的大規模な病院においては、看護師に対しても定期的な人事異動が行われるケースがある。このため大規模病院に就職する際には、採用時に配属された診療科に退職まで在籍するとは限らない。逆を言えば、採用時にあまり関心のない診療科に配属されても、異動時に関心のある診療科に移れる可能性もある。
異動時に注意したいのは、診療科によって求められる知識や技術、配慮するポイントが変わってくる点だ。たとえば内科病棟から整形外科外来へ異動すると、問診や視診の内容が大きく変化する。検査室や会計への誘導、診察室への呼び込みなど病棟にはない業務も発生する。病棟から病棟への異動でも外科病棟から精神科病棟へ異動すれば、アセスメントのポイントが大きく変わるのは想像に難くないだろう。患者の安全確保のポイントも一般病棟とは異なる部分が多い。
このため人事異動の対象になったら、異動先の診療科についてもう一度学びなおしておくのが重要だ。同じ病院の中でも日々の業務内容は全く違う、転職と同等と心得て準備すれば、異動先で戸惑うことも少なくて済む。専門誌で最新情報を入手するほか、異動先のマニュアルも熟読しておこう。
また介護施設や診療所などの付属施設を持つ病院では、本体となる病院から付属施設、あるいはその逆への異動を求められる可能性もある。こちらも同じ看護師といえど、求められる知識や技術が大きく変わる可能性が高い。特に病院から介護施設へ異動すると、周りはすべて介護職という環境で業務を行う職場も多い。この場合も、異動前に介護施設における看護師の役割を学びなおしておくと役立つ。